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生きるススメ / 戸田誠二
2006年03月17日 [ book&other ]
戸田誠二さんの「生きるススメ」です。
インディーズコミック界の奇才・戸田誠二が送る珠玉のヒューマンショー トコミック。ネット上で無料公開され、若者を中心に絶大な支持を受けたショート作品を30編収録。人間の悩むこころや忘れられない小さな傷、弱い部分を愛しく思える、現代のオトナ必読の一書です。 <出版社より>
コミックサイト「コンプレックス・プール」で自身の作品を掲載していた著者。
それを見た編集者が、「単行本にしませんか?」とメールしたことでこの本が生まれたそうです。
- <目次>
- メイキングワールド
- 第一章 まるで花が咲くように
- 第二章 1ページほどの毎日
- 第三章 夜を抜けるために
- 第四章 ラスト・ムービー
ふっ、と心に触れる作品に出会えました。
特に「掟」。
読後の余韻がいいです。
ひきこもり、恋愛、結婚、離婚、親子の絆(きずな)、生きること、死ぬこと。現代社会で誰もが抱えながら生きている不安や悩み、ちょっとした違和感のようなものをすくいとり、やさしく描いた短編集。どれも、いまや「ありがち」ともいえそうなテーマではあるが、本書にはそれだけではないものが、光る。著者の、自分の生きるこの世界を理解したいという気持ち、傷つきながらも社会ときちんとつながろうとする素直な気持ちが表現されていて、読むものの心にストレートに届く。
「掟」は、「殺す」ことを扱った一見シンプルながら味わい深い作品。飼っていたニワトリを食べる農村のくらしをテレビで見て、自分はそんなかわいそうなことはしないと言う幼稚園生の優子に、兄は「お前だって 今 牛 食ってんじゃん/同じじゃん」と告げる。優子はショックをうけ、肉を食べることをやめてしまう。6日目、ファミリーレストランで「…もういいよ/……よくがんばったね」という母親の言葉に、泣き崩れる優子。「私たちは他の生き物を殺して生きている/この歳で娘はその真理を体感したのだ/少しシットを感じたが/……愛(いと)おしかった」。この母親のモノローグが、子どもならではの方法で娘が真理を得たことへの羨望と、母の強くやさしい思いをうまく表現している。
絵はオーソドックスなものだが誠実に描かれており、誰にでも抵抗なく受け入れられそうだ。著者の個人ホームページ「COMPLEX POOL」で発表されたコミックを集め、単行本化したもの。 <門倉紫麻>
[ 著者:Katsuhito 2006年03月17日 ]
生きるススメ / 戸田誠二
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